【完】それでも、あたしは君が好き。






あたしは………

本能のままに、




比呂の差し出す手を取った。




「ん。行こ、今行けば1位だ」



比呂は無邪気に笑ってそういった。


そして、あたしを引っ張るように
走り見事あたしは1位を取った。



「おめでとう!愛結!」



比呂はあたしの頭をくしゃくしゃと
雑に撫でてそう言ってくれた。



あたしの胸は普通に走るよりも
もっともっと



早く動いていて
息苦しかった。



「愛結~!!おめでとう!!!」



借り物競争が終わってすぐ、
あたしのもとに駆け寄ってきた
莉生ちゃんと拓斗くんと
その後ろには陸と比呂の姿があった。




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