【完】それでも、あたしは君が好き。
嬉しかった。
特別って。
お前は違うのか?って言葉もすごく嬉しかった。
だけど、あたしは
幼なじみだからみんなよりは特別ってだけで、
西山さんよりは特別じゃない。
手を繋いで走ったときは
そう思ってしまった。
自分が選んで手を取った。
それなのに、頭に浮かんだのは
西山さんの存在。
『本当に比呂はあたしを特別って思う?』
『あたしは『恋愛』で比呂が特別だよ。
『幼なじみ』じゃなくて。』
そう、言ってしまいたかった。
だけど、
今のこの関係を壊すのが怖かった。