【完】それでも、あたしは君が好き。
「愛結、もうすぐ、拓斗が
外の片付けの手伝いを終えて教室に来る」
そしてあたしの方を振り向き
そう言う。
「………お願いがあるの」
「…?」
「あたしが告白してる時、
廊下にいてほしい。
さすがにさ、ひとりは怖いんだよね」
頬を赤く染め、
作り笑いをする莉生ちゃん。
普段言わない莉生ちゃんの弱音。
あたしは初めて聞いた。
「……うんわかった。
莉生ちゃん、大丈夫だよ」
そんな話をしていると
階段の方から拓斗くんの声が聞こえてきた。
「……ふぅ……じゃあ、
いうねあたし。」
莉生ちゃんに気合いが入ったみたい。
あたしはそっと教室を出た。