【完】それでも、あたしは君が好き。
「……うん…ちょっとね」
あたしは教室を指差しながら、
そう言って、微笑んだ。
「ふっ、そういう事か」
比呂は察してくれたみたいで
あたしの隣に立って
壁にもたれた。
「…帰んないの…?」
「……あぁ。かばん教室だし」
と頭を掻きながら言う比呂
「わ!そうなの?なんかごめん…あはは」
「いーよ。しょうがねぇだろ。
新たなカップルの誕生かもしれねぇじゃん?
おいしいよ。この場に居られてさ」
比呂らしい回答が返ってきて
あたしはちょっと笑ってしまった。