【完】それでも、あたしは君が好き。
「んじゃ、俺帰ろーかな」
「あれ?カバンは…教室じゃ……」
「いーよ別にケータイと財布は
俺持ってるし。じゃあな愛結」
比呂はそう言って
カッコイイ背中をあたしに向けて
歩いて行った。
……
「……どこまでもかっこいいヤツ……」
あたしがそうつぶやくと
教室の扉が開き、
頬を赤らめた莉生ちゃんと
莉生ちゃんの後ろから
優しい視線を送る拓斗くんが出てきた。
「…莉生ちゃん…!」
「愛結~っ!!!」
莉生ちゃんは緊張がとけたように
あたしの顔を見るなり
抱きついてきた。
よかったね。莉生ちゃんっ!
心でそう呟き抱きしめ返した。