【完】それでも、あたしは君が好き。
「あ、あの…これさ、
比呂に渡してくれる?」
北村さんはそう言って、
思ったとおり、木崎くんのカバンを差し出してきた。
北村さんは家の前で木崎くんが
居るかどうかを確認してたんだ…
私はさっきの、
北村さんの不可思議な行動に納得した。
「うん!わかりました。
木崎くんに渡しておくね」
私はそう答えて
木崎くんのカバンを受け取った。
そして、チャイムを鳴らすと、
木崎くんの力ない声が聞こえた。
すると、北村さんは何も言わずに
自分のおうちに戻っていった。
「芽衣。いらっしゃい。」
「お邪魔します…」
私は付き合って初めて
木崎くんのお家に入れてもらった。