【完】それでも、あたしは君が好き。
入ると男の子の部屋って感じはなく、
シンプルで殺風景な部屋だった。
「黒と白が好きなのかな…?」
カラーボックスも机も白い。
ベッドは黒くて。
だけど、ひとつだけ
色を放っているものがあった。
机の上に置かれた
【あゆとひろのなかよしにっき】と
幼い字で書かれた1冊のノート。
ピンク色の表紙でこの部屋には
マッチしない。
あゆって…北村さんだよね…?
私はその日記を手に取ろうとしたとき、
部屋の扉が開き
日記を開くことはできなかった。