【完】それでも、あたしは君が好き。
リビングに置いてあるソファーに座って
テレビを見ている木崎くん。
私はその後ろ姿を見て、
少しだけ切なくなった。
木崎くん……本当に鈍感だよね。
なんにも気づかない……
その鈍感さ故に、
優しさが、切ない時がある。
それを北村さんも身にしみて感じてるんじゃないかな。
私は…好きだよ。
大好きだよ。
私は洗い物を終えて
しばらく話してから帰った。
木崎くんは私の家まで送ってくれた。
引き返していく木崎くんの背中を見つめて、
私は呟いた。
「もう、そろそろ気づいてよ。
木崎くん…………」
sideend