【完】それでも、あたしは君が好き。




「そっか」



比呂の横顔は
どこか切なそうで、
あたしは思わず目を逸らしてしまった。



比呂のそんな切ない顔を
見たのは初めてに近い。



そんな比呂の顔を見た、
あたしの胸はチクッと痛んだ。



「うん…そうだよ………」



教室にはたくさんのクラスメイトがいるのに、
今あたしたち2人しかいないような、
空間に感じる。



背景がなくなったみたいに、
静かに……



2人の息だけが響くような。




そんな感覚。



< 266 / 308 >

この作品をシェア

pagetop