【完】それでも、あたしは君が好き。
それから、文化祭実行委員会の人たちの話を聞いて、
すぐに自分たちの持ち場に移動し、
あたしたちは着替えた。
やっぱりメイド服は落ち着かなくて、
なかなか、スカートの裾を握ったまま、
離せなかった。
「愛結、似合ってるね。」
もじもじしていたあたしに、
後ろから声をかけて来たのは
陸だった。
別れてからそんなに時間が経ってはいないけど、
陸は普通に、いつも通りに
接してくれる。
「そ、そうかな……
り、陸の方が似合ってるよ?
航海士!」
「ありがとう…ていうか、なんで俺は航海士なんだ?」
「わかんないけど、莉生ちゃんの
イメージだからね」
なんて他愛もない話をしていると、
本当に自然な友達みたいで、
なんだか安心した。