【完】それでも、あたしは君が好き。
「じゃあ、俺行くね」
そう言って陸は教室の端の方に歩いて行った。
それから売り込みをしたり、
案内をしたり、忙しくなった。
あっという間にお昼を過ぎていた。
「あ、木崎くんと、
莉生ちゃんと、愛結ちゃん、お昼入って!」
お昼から戻って来たであろうクラスメイトにそう言われて
あたしたちは
お昼を持って屋上に向かった。
「木崎くんっ」
あたしたちが歩く後ろから
可愛らしい声が聞こえて、
西山さんだとわかった。
あたしは後ろを振り向くことなく、
「先行くね」
と声をかけて階段を上った。
「あ!待って愛結!」
莉生ちゃんあたしの後ろを追っかけて来た。