【完】それでも、あたしは君が好き。





「まーいーや!
まぁ、愛結ちゃん気をつけてなー」



そう言って、拓斗くんは
パンのゴミをクシャクシャにしながら
歩いてゴミ箱に投げ入れて
教室を出て行った。



「…愛結…いよいよ言うんだ」



やっぱり。


拓斗くんが…教室を出て行ってから
すぐに、あたしの肩をポンポンと叩き、
そういった。



「うん……そのつもりで今日は学校に来たの。」





あたしは改めて口にすることが
なんだか恥ずかしくて、
俯いてスカートの裾を握った。



「がんばって。どんな結果になるかなんて
分かんないけど、あたしは
どっちでも、愛結への態度を変えたりしない。
ずっとそばにいるし。」



莉生ちゃんはそう言って、
パンを頬張った。



「…あり……」



「俺もそばにいるし」



“ありがとう”と言おうとしたけど
陸の言葉によって遮られた。




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