【完】それでも、あたしは君が好き。




やっぱりさっきの“がんばれよ”は
陸だったんだ。



陸は、あたしが今日告白しようとしていること
はじめから気づいてたんだ。



「……陸まで…ありがとう」



「三汐、案外イイヤツじゃん」



莉生ちゃんは陸に何故か上から目線で
そういった。



「なんで上からなんだよ。
ていうか、当たり前じゃねぇか。
俺、誰よりも愛結を思ってっから。」




…………っ!!




“誰よりも愛結を思ってっから”





あたしはその言葉に少し胸がはねて、
嬉しくなった。




「はぁ?あたしの方が思ってっし!」



莉生ちゃんと陸はそう言って
しばらく笑いながら言い合っていた。



あたしはふたりを見て、
“ひとりじゃないんだ”と思えて嬉しかった。




< 297 / 308 >

この作品をシェア

pagetop