【完】それでも、あたしは君が好き。
やっぱりさっきの“がんばれよ”は
陸だったんだ。
陸は、あたしが今日告白しようとしていること
はじめから気づいてたんだ。
「……陸まで…ありがとう」
「三汐、案外イイヤツじゃん」
莉生ちゃんは陸に何故か上から目線で
そういった。
「なんで上からなんだよ。
ていうか、当たり前じゃねぇか。
俺、誰よりも愛結を思ってっから。」
…………っ!!
“誰よりも愛結を思ってっから”
あたしはその言葉に少し胸がはねて、
嬉しくなった。
「はぁ?あたしの方が思ってっし!」
莉生ちゃんと陸はそう言って
しばらく笑いながら言い合っていた。
あたしはふたりを見て、
“ひとりじゃないんだ”と思えて嬉しかった。