【完】それでも、あたしは君が好き。
そうだよね……
あたしはひとりじゃない。
確かに今までは
比呂に想いを伝えることが、
ひとりになってしまうと思ってた。
だって、
今までずっと幼なじみをやってきて、
その壁を壊そうとしてるんだから。
壊そうとして壊れてしまったら、
もう二度と幼なじみという関係には戻れなくなってしまう。
今まで作り上げた空気が流れなくなる。
だからいつも一歩手前で立ち止まってた。
それに、比呂には彼女がいるから。
あたしと比呂の間には
近くて遠すぎる距離ができてた。
それを縮めたくて
近づいても、
やっぱり比呂は離れていってしまって。
だから怖かったんだ。
けどもう。
どんな結果になっても、
莉生ちゃんや、陸がいてくれる。
ずっとそばにいてくれるから。
もう怖くない。