【完】それでも、あたしは君が好き。




ずっと怖いからって、
目を瞑って、道を逸れてきた。



それじゃダメって。

それじゃ変われないって思ったから。




あたしは変わるんだ。




今日ちゃんと“君が好き”と伝えるんだ。




「莉生ちゃん、陸。ホントにごめんね。
そしてありがとう。」




あたしは最後の決心ができた。




人生初のホントの告白。



西山さんも居る前でになるけど、
あたしならできる。



莉生ちゃん、陸がいるあたしならできる。

言える。




前を向ける。




「何よー改まって!
当たり前じゃない?」



「うん。俺ら友達だろ?」




ふたりはそう言って、
あたしを励ましてくれた。





あたしの目には涙が浮かんだ。



そして、
『ありがとう』というように
ずっと




首を縦に振り続けた。










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