【完】それでも、あたしは君が好き。




「そんなの昔の話でしょ…?
………もう、幼なじみには戻れないから。
友達になってほしい。」




あたしはそう言って、頭を下げた。




その時あたしに声をかけたのは
西山さんだった。




「…北村さん顔上げて?」



「え?」



「木崎くんはあなたを好きよ」



………え…え?

どういうこと………




「…そうでしょ?木崎くん。」



西山さんを見ると
すこし目が潤んでいた。



「……私、知ってるよ?
ずっと木崎くんを見てきたんだから。
何かあれば木崎くんは北村さんの話をしたし、
ふたりでいるのに学校では
北村さんを見てる。


北村さんが三汐くんと付き合った時だって、
『なんでだ』って言ってた。


それで、気づかないわけがないでしょ?」



西山さんはそういって切なく笑う。



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