【完】それでも、あたしは君が好き。
「…なんか悲しいことでもあったか?」
比呂は息を整えてそう言いながら
地面にヘタっと座り込んでしまっているあたしの前にしゃがみ、
あたしの頭を撫でてくれた。
「ううん……ほんと何もないの…
ビックリしただけ……」
あたしはそう誤魔化して立ち上がった。
「なんだよ~こっちがビビるよ!」
「あはは……ごめんね……」
あたしはまた泣き出しそうな気持ちを抑えるようにそう笑った。