スーパーレディー
その瞬間あたしを抑えていた二人が壁に打ち付けられ教室が地震のように揺れた。
「だめよ…冷夏…」
そんな燐の声も届かない。
「何よ!ねえ!あんたたち!ねえ!」
優香以外の仲間が気絶していてあたしの戦意は優香に向けられていた。
あたしは右手を開いて優香に向けた。
「はっ。」
あたしの声とともに目に見えない何かが優香を吹き飛ばした。
とりまきが意識を取り戻しあたしを押さえつけようとする。それをよけて回し蹴り一発。そこから低い体勢にはいり、膝の関節に蹴りを入れてバランスを崩させる。そしてゆっくり優香に近づいた。
「燐と同じことをしてやるよ。」
あたしは笑いながら優香に手を伸ばした。その手を誰かが押さえた。
「お願いだからもうやめて。」
燐が泣きながら必死にあたしを抑えていた。ふっとあたしの中でスイッチが切れた。
「…ごめん。保健室行こう。」
あたしたちは教室を出た。誰かが見ていたとも知らずに…