Kissから始めよう
思いつきで婚約指輪なんか買わないよね・・・?

「藤ヶ瀬ってさ、いつも俯いててオドオドしてて暗いイメージしかなかったんだけど。
・・・そうやって真っ直ぐ前を見て梶さんと並んでるとなかなかいい女だよ。」


瀬戸からそんな風に言われて。

恥ずかしくてなんて答えたらいいのかわからなくなった。


「晋ちゃ〜ん??」

美来がヤキモチを妬いたのかジロリと睨んだ。



「ごめんね、何か・・・」

「和佳奈さんが悪いんじゃないよ〜!じゃ、行こっか!
晋ちゃん、さっき話した・・・」

「おう、分かってる、任せとけ。ちゃんと梶さんにも話しとけよ。」


「は〜い!じゃ、行こっか!!」


そう言って会社を出た。



ーー出来るならこの瞬間まで時間を巻き戻したい・・・。


もう、遅いけれど・・・。ーー

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