Kissから始めよう
「なんで…ここにいるの?誰に聞いたの?」


口の中、切れたかも。
血の味がする。


「さぁね。俺に隠れてこんなとこに住んで。
あんなおっさんと何やってんの?
恋愛ごっこ?


…っざけんな‼︎‼︎」


目の前がチカチカした。



殴られたんだと気付くのに時間がかかるほどの威力だった。


「和佳奈、お前は誰のものだ?あ?」

「・・・私・・・っ」

髪の毛を掴まれ俯いていた顔を無理矢理上げさせられる。


「お・れ・の、だろ?」


ニヤリと笑う。狂気じみたその表情は最早優しい和寿のものでは無くなっていた。

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