Kissから始めよう
「和佳奈さんっ!!」

「うるせぇなぁ。」

美来に向かう狂気を自分に向けさせなくては。
無関係の彼女に何かあったら瀬戸さんに何て詫びればいいのか分からない。



「和寿・・・分かったから。
彼女は関係ないでしょ?
お願い。私だけにして・・・私がいればいいんでしょ?」

震える手で和寿の腕を掴む。
美来が気になったものの、そちらに気を向けて、和寿がまた苛立ったら困る。
苦渋の決断をした。

美来をその場に残し、部屋に入る。


身体の痛みより心が痛かった。


どうしてなの?


私は普通に幸せになりたいだけなのに。

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