Kissから始めよう
ドアを開けるのを一瞬だけ躊躇う。
元サヤの方がいいなんて言われたら、確実に俺は立ち直れない。

和佳奈が居ない毎日なんて、考えただけで嫌だ。


何か言い争う声がして、ダン、と叩きつけられるような音がした瞬間、我を忘れてドアノブを回していた。


「和佳奈‼︎」



ーそこで見たのは。










和佳奈に馬乗りになって首を絞めている、男の姿。

胸元がはだけて和佳奈の白く美しい肌が露わになっていた。


捲り上げられたスカート。


腫れ上がった頬。

切れて血が流れた後がある唇。
< 184 / 236 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop