Kissから始めよう
「和佳奈の初めての男は俺だ、和佳奈は俺以外知らないんだ。」
自慢気にそう言う。
立ち竦んだ俺を、和佳奈が揺らぐ瞳で見つめていた。
「俺の女だから好きにしたっていいだろ?
こいつ、嫌がるフリしてスキモノだからさ!」
…嫉妬は正しい判断を狂わせる。
「和佳奈…」
「ちが、違う!違う‼︎」
首を振る彼女を見下ろす。
痛々しい姿になってなお、彼女は美しいとすら思えた。
「私は雄輔さんが好きなの!
和寿とは8年前に終わってる!さっきも言ったでしょ⁈
私が幸せにしたいのは雄輔さんなの、和寿じゃない!」