Kissから始めよう
「ん?どうした??」


「あ・・・ありがとう。私・・・私ね、こんな風に人を好きになったことなかったの。
和寿とずっと一緒だったから・・・当たり前みたいだったし。
だから雄輔さんに必要としてもらえて本当に嬉しくて。

・・・だから、言わなきゃいけないことも蓋をしてきたの。

さっき、和寿が言ってたのは本当の事。

15の時、和寿に半ば犯されるように抱かれて。

・・・そのあとすぐに妊娠してることが分かったの。

和寿のお母さんはとても世間体を気にする人で。
すぐに病院に連れて行かれて・・・処置を受けたの。

私の意見なんかどこにもなかった。


うちの両親もその方がいいからって。
確かにそんな状況で生まれてくる子供は幸せになれるかどうかわからなかったし・・・。


今はただ生まれ変わって来てねって願うしか出来ないんだけど・・・。



こんな私だけど、いいの?
雄輔さんにとって私は邪魔にならない??」



一気にそう言うと。
和佳奈は俯いた。
小さな身体は震え、嗚咽を堪える様に唇を噛んでいた。
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