Kissから始めよう


翌朝。


目が覚めた時に、目の前にいるはずの人が居ない。


ハッとして身体を起こすと、彼はソファに座りタバコを咥えていた。


眉間にシワを寄せ何かを考えているのか。
ふぅ、とため息をつくとタバコを灰皿に揉み消した。


「雄輔さん…。」

「あ、起きたか?身体、大丈夫か?仕事行けそう?」

矢継ぎ早に問われる。


「雄輔さん…」

何を考えていたの?


…そう、聞きたいのに聞くことができない。



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