Kissから始めよう


出社して真っ先に経理課に向かう。


「美来ちゃん!」


昨日迷惑をかけたにも拘らず何も伝えられなかったのが心残りだったからだ。


「あ!和佳奈さんっ」


そこに居た美来は、いつもと全く変わらない姿だった。


「昨日はごめんなさい!本当にごめんなさい!!」


勢い良く頭を下げると、美来は笑っていた。
それこそ、頭を下げる理由が分からないと言いたげに。


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