Kissから始めよう
「美来。」



そうして少しだけ離れて立っていた美来の側に寄る。



「なかなか言い出せなかった挙句、言ったはいいけどどうしたらいいのか分からなくて放ったらかしにしてごめん。」


そう言うと。


ポケットから何かを取り出し美来の左手を掴んだ。


「返却は受け付けない。以上。」


キョトンとした表情の美来の瞳に涙が溜まる。


何故なら・・・左手薬指に指輪が輝いていたからだ。
< 224 / 236 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop