Kissから始めよう
「ぼ・・・暴力振るう人だったんです・・・でも・・・好きだったから、普段は優しい人だったから、我慢して・・・」



そうして我慢して、私はボロボロになった。

女として・・・人として。


「怖いんです、男の人がっ。」


泣くつもりなんかなかったのに。

梶が優しく背中を撫でてくれたから。

「和佳奈・・・」


「ゆ、雄輔さんが同じじゃないって分かってます、でも、」

ぎゅうっと抱き締められて気が遠くなりそうだ。

「分かった。もう言わなくていいよ。」


そう言って抱きしめた腕に力が入る。
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