Kissから始めよう
「藤ヶ瀬」


デスクで今日の分の入力をしていた私のところに見覚えのある腕が置かれた。

誰かがデスクに腕をついたのだと分かるけど。


「課長」

見上げるとその顔は柔らかく微笑んでいた。


「これ。」


そう言って離れていく。


手渡されたのは小さな紙。


コッソリと開くと。


【今晩ウチにおいで。】


それだけ書いてあった。

課長の綺麗な字だ。


嬉しくて、頬が赤く染まるのがわかった。
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