Kissから始めよう

「和佳奈?」


いつまでも立ち上がらない私を見て、彼は首を捻った。


「・・・あの」


「ん?帰りたくなくなった??」


手にしていた車のキーをテーブルに置く。


「・・・私・・・」



そう言って見上げた彼の顔は、とても優しくて。



「ん?どうしたいのか言ってごらん。」


「あの・・・」


もう一度だけ、深呼吸する。

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