Kissから始めよう
「・・・だったらどうして今日の忘年会、全員参加なんかにしたんですか。
それがなければ、もう少し楽でした。」
嫌味の様にそう言って、私は自分の席に戻る。
今日は会社全体の忘年会。
私は毎年不参加だった、
・・・何故なら情報処理が終わらない為、毎回残業だったからだ。
なのに、今年は絶対に参加なのだという。
なんでだろう。
そう思ったけれど、そんな事より仕事だ、仕事。
デスクに戻るとまたパチパチとキーを叩く。
早いらしいけど、私にとっては普通なんだよね。
「藤ヶ瀬さんが参加してくれたら楽しそうだったからね。」
気が付けば課長がすぐそばに立っていた。