Kissから始めよう
最初から嘘なんか何処にもなかった、優しい人。
最後に雄輔からのメールを開く。
【和佳奈、愛してるよ。】
ただそれだけ。
嘘偽りのない、まっすぐな言葉。
考える間もなく、発信していた。
プツリ、と発信音が切れた瞬間叫んでいた。
「雄輔さんっ、待って!私、私っ」
【和佳奈?】
「帰らないで!独りにしないで!お願いっ」
【…ッ、待ってろ。】
怖い。
また私は壊れてしまうんじゃないだろうか。
暴力でねじ伏せられた、あの時のように。
でも、信じたい。
彼を。
周りの人達を…。