Kissから始めよう

目が覚めたのは、寒かったから。

まだ薄暗い部屋。
隣には愛しい人。

裸のまま、抱きしめあって眠っていたけれど、さすがに12月、寒くなってしまった。


リモコンを手繰り寄せスイッチを入れる。


「ん…和佳奈、起きた?」

寝ぼけ眼の愛しい彼・雄輔がそう言いながら和佳奈の身体を抱き寄せた。


「冷えてる…寒かったのか。」

「うん…だからエアコン入れたの。」

小さな和佳奈は雄輔の腕のなかにすっぽりと埋まる。


「壊しちゃったかと心配になったよ。」


ふわりと笑いながら雄輔はそう言う。

< 78 / 236 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop