恋はしょうがない。~職員室であなたと~




「どうしたの?」



古庄に声をかけられて、切羽詰まっていた真琴は、古庄に対して藁をもすがる思いで事の次第を説明した。



「……わかった。俺が5組の終礼もやっとくから、大丈夫。島田のところへ行っておいで」


普段の冗談めかした笑いはなく、古庄は真琴の目を正面からとらえ、しっかりした口調で言った。


真琴はその真剣な顔に無言で頷くと、バッグを抱えて小走りで、走り梅雨のしとしとと降り続く雨の中へと飛び出した。



本屋に着くと既に警察も到着していて、物々しい雰囲気の中、島田は神妙な顔つきで椅子に座らされていた。

島田の単独犯ではなく、同じ中学校だった他校の生徒と一緒にした犯行だった。
警察官と共に状況の確認をし、電話で呼び出された母親に島田を引き渡して学校へと戻った。


しかし、それから今度は管理職や生活指導部の教員たちと、島田に対する指導部会議が行われる。

真琴は島田の担任として、日頃の生活態度や成績の状況、問題行動の説明の責を負わねばならなかった。




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