恋はしょうがない。~職員室であなたと~

校舎に缶詰め…!

 

 
時刻が遅いこともあって、会議に出ていた職員たちは帰り支度をして、次々に職員室を後にしている。


真琴も机の上を片付けながら、学年のホワイトボードへと目をやる。そこには、明日実施される考査の科目が記されてあった。




「……えっ!!?」


 
1時間目に、真琴の担当教科の「世界史」とあるのを見て、真琴は固まってしまった。


「…何で、世界史?最終日のはずじゃ……」


真琴のつぶやきを聞いて、古庄が説明する。


「考査初日だった日本史・地理と最終日だった世界史が、地歴科同士で入れ替わったんだよ。考査初日、日本史の綿谷先生に出張が入ったからって。……聞いてなかった?」


真琴はぎこちなく頷く。
その焦燥を見て取って、古庄は推察する。



「もしかして、まだ考査問題を作ってない……とか?」


古庄にそう尋ねられても、真琴は頷くことも出来なくなってしまった。

 
 

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