恋はしょうがない。~職員室であなたと~


この気さくで率直で飾らない性格が、古庄の完璧すぎる容貌を嫌味のないものにし、その人間的な魅力を一層際立たせている。


「古庄先生だったら、手作りのお弁当くらい、しょっちゅうもらってるのかと思ってましたけど……」


珍しく真琴の方から、古庄へと話しかける。
そのことも意外だったのだろう。古庄は再び目を丸くして、真琴を見つめた。


「俺にはいつも女子が群がってるからなぁ~。そう思われてもしょうがないけどね……。でも、弁当を作ってくれるようなことまではないんだよ。ま、キャーキャー言ってても、あいつらにとって俺はその程度の存在ってことだろうな」


「生徒じゃなくて、普通の女性はどうなんですか?同僚の女の先生とか」


そう真琴に問われて、古庄は涼しい目をクルリとさせる。


「うーん……、同僚の賀川先生が作ってくれたくらいかな」


嬉しそうにニッコリと、子どものように無垢な笑顔に、やっぱり真琴は気圧されてしまった。

心がざわめいたのを隠すように、真琴は少しだけ笑顔を返した。







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