恋はしょうがない。~職員室であなたと~
突然の告白
週番が校舎内を見回る前、真琴は担任する1年5組の教室へと赴く。
遅く残っている生徒を帰して、戸締りなどを確認するためもあるが、居心地の悪い古庄の側から少しでも逃れるためでもある。
7月の日は長く、まだ明るく太陽が照らしているが、もう6時半になろうとしていた。
校舎の一番端の5組の教室まで行き着くまでに、残っている生徒に声をかけて帰り支度をさせた。
教室へ着き、乱れた掲示物や教卓に置いたままにされているプリント類を整理する。
やはり開いたままになっている窓を閉めて、しばらく窓の外のグランドを見下ろして、サッカー部と野球部の練習を眺めた。
空気がこもり熱を持ち、ジワリと汗がにじみ出てきたので、真琴は重い足を動かして職員室へ戻ることにした。
しかし、エアコンが効いて快適な職員室も、真琴にとっては決して居心地のいい場所ではなかった。
教室を出て、廊下の窓も確認しながら、真琴は歩き出す。
するとその時、突然腕を取られて、6組の教室へと引き入れられた。
真琴が驚いて、腕を引く主を確かめると、6組の担任である古庄だった。