恋はしょうがない。~職員室であなたと~


案の定、古庄は生徒の間では(特に女子に)、すごい人気だった。

33歳という年齢にかかわらずこの人気だから、もっと若い頃はもっとモテていただろう。
きっと生徒から告白されたことも、一度や二度ではないはずだ。


そして、ここにも古庄の爽やかさに悩殺されている女子生徒がいた。

真琴の担任するクラスの加藤有紀だ。
育ちの良さを体現しているような、素直で可愛らしいこの少女は、高校に入学するなり、古庄の大人の男性としての魅力にのぼせてしまっていた。

高校生になって、少し大人に近づいたような気持ちになれば、大人の男性との恋も、何だか実現可能な気もしてくるらしい。


「先生、賀川先生!古庄先生って独身?彼女いるのか知ってる?」


終礼が終わるなり、真琴のところへ有紀が飛んで来て、矢継ぎ早の質問をする。

有紀以外にも数人の女子がくっついて来ているところを見ると、古庄のファンは有紀だけではないみたいだ。


「何で私に訊くの?私だって、この前初めて会ったばかりなのに、知るわけないじゃない」


そもそも、仕事における確認事項について話はするが、そんな込み入った話をするような間柄ではない。



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