【BL】素朴系男子に恋しました。
「で、どうなんだ?」
「………居るよ。」
「居るの!?」
誰だよ?と顔を近づけてくるもんだから、額を指で弾いてやった。
「痛っ……何すんだよぉ」
「教えるわけないだろ。」
「良いじゃんか。俺と倉本の仲だし。」
俺とお前だから言えないんだよ。
「なぁ、教えろよ。誰にも言わないからさぁ。」
「言わねー。絶対言わねー。」
俺は手にしていた雑誌を戻して、コンビニを出る。
その後ろを慌てて追いかけてくる気配。
「ちょっと待って!倉本、ごめん。なんか俺、怒らした?」
眉尻を下げて見上げてくるコイツが、まるで捨てられた犬のように見えてくる。
あー…くそ。
可愛いとか思っちゃうだろ!
「怒ってない。」
「ほ、ほんと?」
「ほんと。」
ぱぁっと花が咲くみたいな笑顔。
思わず抱き締めたくなって、ギリギリのとこで踏みとどまる。
り、理性だ。理性。
「…もう帰ろうぜ。」
「うん。あ、倉本!」
「ん?」
「俺、応援してるから!倉本に好きになってもらえるなんて、その子、幸せ者だな!」