斜め前のキミ



真優の唇に引き寄せられるように俺の顔はあと数センチの距離まで来ていた。



その時、真優の目が俺を捉える。



ウ、ウソだろ…。



今、目覚ますのかよ…。



お互いの息が交ざり合う距離。



俺は身動きも出来ず言葉も発する事が出来ないでいた。



『輝…ありがと』



弱々しい笑顔で礼を言う真優。



ダメだ…。そんな顔で言われたら、もう……。



俺は引き寄せられるようにそっと真優の唇に自分のを重ねた。
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