蒼いラビリンス~眠り姫に優しいキスを~
恐らく、ベットまで歩いていってそのまま、ばったんキューと眠りこけてしまったのだろう。
その証拠に、スーツも着たままだし、ご丁寧にネクタイまで締めている。
もちろん、布団など掛けているはずはない。
これでは、絶対、風邪を引いてしまう。
どうしよう?
疲れているはずの拓郎を起こさないで、なおかつ風邪を引かせないようにする方法は何かないものか? と、藍は考えを巡らせた。
その1。
このまま布団を掛けて、朝までそっそしておく。
その2。
服を着替えさせてから、布団を掛ける。
その1は、さすがにネクタイをしたままでは、見ている藍の方が苦しい気がするので、却下。
その2は、眠っている人を起こさないで、着ている服を全部着替えさせるのは無理な気がしたので、これも却下。
なので、中間を取って、ネクタイを外して出来れば上着を脱がせてから布団を掛けることに決めた。
「えっと、まずはネクタイ……よね?」
呟くと藍は早速ネクタイのを外すべく、ベットサイドまで近づいて腰を屈めた。