蒼いラビリンス~眠り姫に優しいキスを~
嫌な予感がする――。
どうしようもなく、胸が騒いだ。
もし、単に自分の事が嫌になって出た行ったのなら、それはそれで良い。
いや、良くはないが、仕方の無いことだろう。藍はまだ十八になったばかりだ。
まだ、縛られたくないと思っても当然かも知れない。
でも。
例えそうでも、確かめないわけには行かなかった。
このまま、何もかったようには暮らせない。
暮らせる訳がない。
そうするには、藍の存在は拓郎の中で大きくなりすぎている。
拓郎は唯一の心当たりを捜すべく、車を発進させた。