蒼いラビリンス~眠り姫に優しいキスを~
夜ごと夢にうなされていた藍。
「守りたい」と思いながら、俺は、何をした?
苦い後悔の念と共に、拓郎はキュッと唇を噛みしめた。
藍は、ただ静かに眠っている。
少し寂しげな、疲れたようなその寝顔を見つめながら拓郎は、胸に込み上げてくるものを、押さえきれなかった。
「すまない、藍……。俺は、何も知らずに……すまない……」
後は声にならない。
目頭が熱くなる。
頬を、一筋の涙が伝った。