蒼いラビリンス~眠り姫に優しいキスを~

それが問題なんだ。


彼女の言う通り、私はこの二十以上も年下の娘に、どうも『男として、惚れている』らしい……。


『らしい』というのは、自分でもこの感情が、父親が娘に対するような肉親の情なのか、恋人に対する恋愛感情なのか、今一つはっきりしないからだ。


いい年をして、情けないとは思うが、人には得手不得手と言う物があるのだ。


大好き、大好きと言われ続けているうちに、その気になった物なのか……。


自分でも分からない。


ただ、愛しいと思う。


この娘の為なら、何を犠牲にしても惜しくはないと、そう思う。


それが、どんな非人道的な事でも、自分は迷わずするだろう――。

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