蒼いラビリンス~眠り姫に優しいキスを~

あの日。


藍をアパートに連れてきてから一ヶ月余りが経つ。


だが、相も変わらず、二人は『部屋主と居候』の関係だった。


確かに、拓郎には藍に惹かれている自覚はあるが、一番のネックは藍の年齢だった。


藍はまだ、未成年だ。


そして二十七歳と十七歳という年齢差。


これだけ離れてしまうと、妙にその年齢差が気になるのだ。


それに、十七歳といっても、藍は普通の十七歳とは大分違っていた。


まるで、幼い少女のまま培養されたような、純粋さを持っている。


ああも無邪気に100%信頼全開モードでいられると、これは絶対手を出しちゃいかん、と言う気になってくるのだ。


さすがに一緒のベットで眠ったのは最初の一日だけで、『こりゃヤバイ』と思った拓郎が、すぐに布団を購入して自分は居間の方に寝るようになったのもある。


それにしても。


説得して親元に帰すでもなく、追い出すでもなく、ただ現状に留まっている。


どのみち、いつまでもこんな不自然な生活が続くはずはないのに。


俺は、いったいどうしたいんだ?

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