蒼いラビリンス~眠り姫に優しいキスを~
「うわぉ! 色、白っいねぇ、藍ちゃん!」
「え、そ、そうですか?」
クリスマス・パーティも終わり、美奈と一緒に入浴することになった藍は、脱衣所で服を脱ぐなり全身に視線を浴びて、頬を赤らめた。
「うんうん、私って地黒だから憧れちゃうわぁ、ほら、うなじなんて真っ白」
ついっ――っと首筋を撫でられ、藍は思わず『ひゃっ!』っと声を上げてしまう。
「おお、手触りもすべすべで、最高♪」
「み、美奈さんっ!」
藍は耳まで赤くしながら、尚も触ろうとする美奈の魔の手を逃れて、そそくさと風呂場へと逃げ込んだ。
君恵の家は『檜風呂』で、大人なら五人は余裕で湯船に浸かれる広さがある。
本当は、恵も『藍ちゃんと一緒に入る』と頑張っていたが、パーティではしゃぎ過ぎてしまい満腹になったとたん、夢の国の住人になってしまったのだ。
今頃は、藍と風呂で遊んでいる夢でも見ているのかもしれない。
「ねえ、ちょっと真面目な話なんだけどさ……」
体を洗い終わり、二人とも湯船に浸かってしばらくしたころ。
いつもは歯切れの良い物言いをする美奈が、珍しく言いづらそうに口ごもった。