偶数ルーレット
大丈夫大丈夫。



私は自分の心にいいきかせた。





そしてまた今日の放課後も佐奈の提案でルーレットゲームが恐怖の体育館で行われる。




皆始まったら、怯えてる。




でも昼の教室では楽しみにしている。






なんでだろう。私は怖くて怖くてしかたがないのに。




死んだ人の死体は残ったままだ。




だから私はそれをみるだけでも怖い。





きっとみんなもそうなんだろうね。





その方向を全く見ようとしないもの。





私はきっと今日の夜、体育館でクラスの皆以外の誰にも気づかれないで死ぬと思う。





そして自分でそう考えると怖くて怖くて。



祐は私と雷くんが喧嘩をしてしまったことも知っている。




だからきっと私の気持ちを理解してくれているのだと思う。




祐はぎゅっと私の震える手をにぎってくれた。
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