偶数ルーレット
あいつが出した
佐奈は言いにくそうに口をもごもごさせながらぶつぶつ言うように、真穂にそう言った。












「え。私。私。」






真穂は『何で私なの?』と訴えかけるようにみんなを見た。







前々から私は真穂にむかついてた。




だから丁度いいチャンスだったのかもしれないと思い少し笑みがこぼれた。









周りの皆はそんな私を見て、心配しなくてもいいんだ。




と思い始め、また


「早くルーレットを回せ!」と言い始めた。







真穂はクラスの・・・いや学校内で嫌われていた。いじめられていた。



私はいつも真穂をかばうようにしてた。








ずっと。






だけど、心の中では思ってた。





「ホント、ウザい!早く回せよ」





つい口から心の声がでてしまった。




< 6 / 34 >

この作品をシェア

pagetop