風になる
夕方になって意識を取り戻した涼也はたまきにメールした。
「千花が病名を俺から聞いて、とか言うたらしいけど、知恵熱みたいなもんや。たいしたことないで」

どこまでも強がりな男なんや、涼也は・・・。





翌日から、微熱の続く体で何事もなかったようにメールを再開した涼也。
病室からの必死のメールを明るく受け止めるたまき。

ベッドから落ちた。とか、タバコを見つかって怒られた。とか・・・
明るい話題ばかりで楽しく楽しく・・・
命の炎は燃え続けていた。


あるとき、SNSの何気ない日記への書き込みから始まった「涼と姫の物語」

ホストの「涼」と客の「姫」が会話する架空の物語をリレー形式で二人はつづり始めた。

丸々二日間でのべ40回ものやりとりで物語は進んだ。
後に俺も千花も瑠衣も勇貴も読んだ名作だ。

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