風になる
ディープ リョウに訊かれて姫は考える。
     「自分でもわからないの」

     本当に昨日の感情をうまく説明することは難しかったのだ。

     「でも、訊いてくれてうれしいよ。リョウが私のこと少しは気にしてくれてるんだなって思え
     て・・」
     「そりゃ気にするさ。俺のせいで姫を泣かせたと思って…お客を…」

     そこまで聞いて姫はリョウの唇を人差し指で押さえて  

     「黙って。最後までこのまま躍らせて。ありがとう、リョウ・・」

     リョウが、お客を泣かせるなんてプロじゃない…と言おうとしてるのは判っていた。
     しかし、今はこのひとときを大事にしたかった。

     (もうやばい!爆爆!声出さずに笑うのが難しい。切ない内容を書いてるとは到底思えないニヤニ
     ヤ顔やで笑。イカ系のお菓子て!私がいつもいつもいかぶつを食べてるみたいやん)
涼    片手で姫の肩を抱きながらテーブルへ。
     ふたたび乾杯。

     「姫、今年花火見た?」 
     「ううん・・見てない」
     「見に行こっか!」
     「え、花火の季節終わるよ。もう遅いよ。」
     「冬花火。冬の夜空に打ち上げる花火」
     「わ~。連れて行ってくれるの?」
     「うん」
     「他にも友達誘うの?」
     「いや、二人で」
     「でも…どうしよう」
     何故か戸惑う姫。
     「行こっ!約束!」
     小指を差し出すリョウ・・

     (またまたアホやし、セリフばっかりやな。こっちはリアルに店の内装やら照明やら実物が浮かん
     でるし、勝手にお気に入りの7番ボックスに姫を座らせてるねん爆)



     
< 32 / 39 >

この作品をシェア

pagetop